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ミラクルガール/プランタン
プロデューサーによる全曲解説
 1,アルバムについて
コレを作って世の中の水準的に果たして出して売っていいものか迷ったのですがブブカやトラッシュアップ等に取り上げて頂き(ブブカのプランタン記事 CDジャーナルのWEB記事)ごく一部でも需要があるのだと確信しまして一部の方の為に作成しました。少しでも売れるといいです。
 2,アイドルについて
元々申し訳無い程アイドルに詳しくありません。ただ、ジョニーロットン(セックス・ピストルズ)、ビートたけし、パティ・スミス町田町蔵とか僕にとってのアイドルも間違いなく居たわけで、この人の全てを見たい!聴きたい!理解したい!全部欲しい!wと思わせるモノこそがアイドル!というアイドルという存在に対しての個人的な見解はあります。そして春野夕菜は僕から見て絶対的アイドルでありますのでかわいい子がアイドルの真似事をしてアイドルになるのでなく彼女は生まれながらのナチュラルボーン・アイドルでノイズだろうとジャンクだろうとスカムミュージックであろうと何をしてもアイドルそのものである。という大前提の上このアルバムは如何に(僕なりに)彼女の魅力を世に伝えるのか特化したアルバムであると思っています。
 3,プランタンについて
元々二人組アイドルでテルマ&ルイーズ(映画)や下妻物語(映画)のような全くタイプの違う二人が他を圧倒していくというのが理想でありましたが一人脱退。その後はがんばれベアーズ(映画)のような絶対エース(ユナ)が駄目チームを引っ張って快進撃!のようなイメージを常に持っていました。あと堺正章版の西遊記(三蔵法師とゆかいな取り巻きが西へ進む)の影響も多少。関連してドリフの孫悟空とか。CDにはチーム感を意識的に入れました。この楽しい空間に自分も入りたいって思えるような。
 4,全曲解説
アルバムトータルのコンセプトはぷらぷらプラクティス海賊盤(PPK)シリーズが良かったという事を前提に作りました。多幸感、空気感、連帯感、チーム感を大事に現場の空気を活かす事を最優先事項に進めました。基本的にかっこよくしない。やりなおさない。練習もしないので無茶苦茶なトラックは無茶苦茶なままです。音自体は僕なりにノイジーな音も含めて非常にポップで分かりやすく作ってあります。ギャグ含めて60トラック位録音して半分程使いました。
 1.Hi!
一曲目とラストの曲はピンクフロイド/ザ・ウォールのようなループ構造にして永遠に終わらない展開を早い段階で考えていたのですがイイ音源が無く却下。英語の挨拶。ユナちゃんが明らかに何か飴玉でも口に入ってるという不誠実なトラックを一曲目に置く誠実さでこのアルバムの意図する“これから真面目に悪ふざけします!”と宣言しています。pretty empty と並べるとprettyの意味が少し変わってきます。
 2.取れた
二曲目もゆるゆるトラック。3への繋ぎと一曲目と繋げる事でこのアルバムのコンセプトの慣らし。
 3.GO!GO!プランタン
このアルバムの一曲目として作った曲。アンビシャスラバーズ(アート・リンゼイ)のようなマーチ風トラックとふわふわボーカル、歌詞は昨年12月の岐阜ライブ(往復3時間で出番10分)の様子がそのまま歌詞になっています。“中小企業はいつでも立派!お父さんでしょしっかりしてよ!”は某オタさん。“みんなでタラコ”のタラコははるかぜちゃんの愛(蔑)称でもあり皆デタラメという遠藤ミチロウの歌詞のオマージュ。タイトルGO!GO!プランタンはスターリンのGO!GO!スターリンと南波さん連載のライブアイドルアGO!GO!のオマージュ。当初付けたタイトルはプランタン西へ(ウルトラセブンオマージュ)でしたがプランタンは地域的にむしろ東(東京)へ向かうのでやめました。歌詞の調子は思いのままをリンクさせるミチロウ方式。もしくは中島らもさんの手法です。
 4.ぷらぷらブレイカーズ
この曲はメンバーが一人になって一曲目なので思い入れが強い。一週間の曲でブレイカーズは休暇(お休み)の意味ですが逆境をブレイクスルー(ぶち破る)の意味もかけてあります。スプリング・ブレイカーズという映画が作った当時公開されていて予告編だけ見て歌詞は影響は受けました。コンビニ寄って次の日それが事件となって拡散されているクダリは実はバイオレンスな話なのです。ただ後日映画見たら思ってた感じでは無かった。
 5.新しいジャンケン
ギャグです。結構好き。相手はDJゴリ。ギャグはかなりボツになってます。面白すぎたり毒が強すぎたのもバランス見てカットしました。
 6.免許取りたて(ロスト・ハイウェイミックス) 
このトラック自体はPPK3バージョンの方が好きですがこの曲自体はプランタンの曲の中でもすごく好きです。テキトートラックにラップ(ふわふわおしゃべり)を乗せる感じは元々やろうと思っていた所ですがライブだと盛り上がりにくいのであんまりやったこと無いです。歌詞のイメージはテルマ&ルイーズそのままで女子二名が夜中(世の中)に無防備にも立ち向かうカッコ良さ!午前四時のファミレスで女子二人が疲れてぐったりしてカメラを向けると笑顔でピース!って感じです。ロスト・ハイウェイ(デビッド・リンチの映画)ミックスとしたのはボーカルがいつの間にか入れ替わっている点から。
 7.ミラクルガール 
アルバムタイトル曲でプランタンオリジナルソングの一曲目。結成当時外部に曲依頼してたのですが全然上がって来ないので「俺(ヤマシタ)が作る!」と2時間で5曲作成(ミラクルガール、スイーツロック、春日井ロック、ミューズ、ハローグッバイ)した一曲。ミラクルガールといえばユナちゃんでこの一年ホント嘘みたいな事が多かったのは全部ユナちゃんパワーのおかげ。このバージョンは何故かデビューライブでやったロングあっさりバージョン。どこがいいのかさっぱり分からないけど魅力あるプランタン代表曲。毎回ライブのラストでやってます。
 8.午後ゴリラ 
ラジオDJ風にしたのは活動当初からラジオやりたい!と言ってた名残り。今でもやりたいけど時間が無くて結局やれなかった。その他ジングルやギャグもその名残り。プランタンのぷらぷらラジオやったら絶対におもろい。
 9.チェキ撮ろうよ!
アルバム用新曲、GOGOプランタン、チェキ撮ろうよ、ライフイズアイドルはオタやライブの事が歌詞になっています。この曲はオタから見たアイドルのオタに対する妄想をアイドル自身に歌わせるというメタ構造の予定でしたがユナちゃんが音程合わず歌うのを拒否した為ゴリランタンが歌いユナちゃんが適当にコーラスを入れるという形になりました。結果この曲で本音を歌っているのは実はユナちゃん一人である!というさらに複雑な構造の曲になったと思います。また、このアルバム唯一「ぷっらぷっらーチェキチェキー」の部分はユナちゃんの作詞。突然歌い出して即採用w ※僕もユナちゃんもファンの皆様をオタオタと言ってますがオタの皆さんの事はホントに愛情を持ち尊敬かつ敬意を払っています。
 10.プランタンのぼうさいきょうしつ
ジングル。ちょくちょく入るユナちゃんの笑い声がこのアルバムを救っています。
 11.ぼうさいそんぐ
春日井市とかすみんの共催のぼうさいきょうしつの為に制作。作曲編曲は春日井市在住のしおやままさひろさん。はるかぜちゃんが出るライブでは定番となりました。皆で歌うバージョンは今までで一番良いと思います。
一応ここまでがアナログで言うとA面。12,13,14がボーナス・トラック。15からB面。
 12.挨拶
ジングル。
 13.ゴリランタン紹介
紹介されていないメンバーは初期メンバーはなむら満、一回でやめたニコちゃん。
あとまとめて紹介されたパイセン一味。あと主要スタッフに吉井さん、あさのさん。中ちゃん。
 14.スイーツロック(カスナンミックス)
この曲も最初期からあります。曲はロックンロールナンバーで初期のコンセプトが残っています。歌詞は性へのメタファーでしたが当初は表現がモロであからさま過ぎたのでかなりゆるくなっています。この辺のコンセプトソングは素人らしくて煮詰めて(れ)無いのがあからさまに分かるので編曲、アレンジをお手伝い頂ける方は欲しいですね。もっとかっこいいロックナンバーにしたいのです
 15.春日井市のフジヲカヒロシさん
プランタンのコンセプトに参加型というのがあります。それの象徴はフジヲカさんです。あとミイラとかわるかぜちゃんとか出てきますがアレは元々ライブ会場に上がって来ちゃったイカれたオタというテイのパロディーだったりするのです。千と千尋の神隠しのカオナシがオタクの象徴という説がありましてそのイメージです。ただAKBの事件とか聞くとそういう性善説を前提としたお遊びも難しくなるのかなと思いました。
 16.ぷらぷらトーク1
ジングルやギャグはある程度指定の台本がありますがこれは完全にフリーで録ったのをあとで編集したものです。普段の会話とうっすら力関係のようなモノが見えたりします。トークはPPK4に続きが少し入ってます。このバックトラックが実は好きだったりします。
 17.あいうえお作文
ジングル。このシリーズは色々あったけど殆どボツ。
 18.緑のサボテン
ミューズへの繋ぎ。内容は(僕にとっては)ホラーです。赤いサボテンこそ僕自身という恐怖と常日頃向き合っています。
 19.ミューズ(やけくそミックス)
この曲は昔バンドでやってた曲に歌詞だけ作り直し。バンドで作った曲でしたが元々の構成は石坂氏(音信不通)が持ってきたと思うのでクレジットしてあります。ライブでは1回やったのみ。歌詞は頑張るアイドルが居るから皆頑張れるという曲。
 20.ふーーーーーんー
とても気に入ったトラックでしたがマスタリングの段階で細かいノイズや空気感が少し変わってしまったような気がします。残念。
 21.ライフイズアイドル
新曲。ライブでは好評ですがこのトラック録った時点ではまだユナちゃんもゴリランタンもこの曲のツボを理解しておらずイマイチ。録音し直したいです。曲は元々ハードコア・テクノだったのですがファンコット風にアレンジしました。歌詞はオタの皆さんの熱い思い!金を突っ込んでるのも本気の愛が伝わらないのもいい年こいてるのも結婚できないのも娘が年頃なのもそんな事は全部分かっている!ただライブ会場で感じた一瞬は紛れも無い本当の瞬間なんだ!という叫びの曲です。ノイズ部分を作りながら元々アイドルというより演者として一緒にステージ立ってステレオラブのようなライブがやりたかったんだよなーと思いだしました。ノイズ部分はオタが地獄で焼かれるイメージ。
 22.ぷらぷらハリケーン
ギャグです。結構好き。
 23.ぷらぷらライダー
スーサイドのゴーストライダーのカバーを入れるつもりでトラックまで作ったのですがチープというかポップになり過ぎてあんまりかっこよく無いので別トラックで別の曲として録音。歌詞は春日井駅からドーナツ食べて通学する時にバイクが追い抜いて行くのを見て乗せてってYO!というような曲。途中“空が見えたの!”という歌詞はそのバイクが事故った暗示。遠藤ミチロウのミスター・ボージャングルのカバーがにそんな歌詞だったような気がします。
 24.歌ってね
メッセージ
 25.春日井ロック
最初からある曲。オケも尺も構成も殆ど最初から変わってない。遊びでやってた頃はホント面白い曲だったけどこういう曲こそアレンジャーが居て完成度を高めたい曲。
 26.GO!GO!ヤマシタクリーニング
3曲目のGO!GO!プランタンの替え歌。スポンサーソングのテイを為したタイアップとか企業ソングとかのパロディソング、つまりこの曲自体がギャグなのですが趣旨があんまり伝わって無い気がする。ウチのクリーニング工場でサンプリングも拾ってきたし出来もいいので気に入ってます。先代社長が毎日口ずさんでますw
 27.ロボット
ラス前に脱力するようなトラックを入れたのは何か意識的に盛り上がりすぎずまだまだゆるく続く感を出した。フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドのアルバムとか。パルプフィクションのラストのエピソードなんかそんな感じだと思う。
 28.たまご
本当はポップグループのウイアータイムかスーサイドのゴーストライダーのカバーをラストに入れるつもりでしたが出来のイマイチ感とあざとさが表に出るので最後はめちゃくちゃなトラックを用意しました。曲自体は昔バンドでやってた曲ですがもうちょっとレゲエ調でダブな曲でした。ここまで来るとボーカルトラックが完全にずれた部分とかそのまま残してあってもあんまり気にならないという現象がすごいなと思います。主役で無い人達が順番に歌っていく感じはセックスピストルズのロックンロールスウィンドル(という曲)風にアレンジしました。歌詞は子供が大人へ成長する短い凶暴で不安定な期間の事についての曲です。丁度彼らの現在の時期とリンクしていいモノができるのではと選曲しました。具体的な歌詞の内容は少年がドラッグをキメて自慰行為に耽ってるところに幻覚で白い巨大なたまごが現れて少しずつ殻が割れていくのを眺めてるようなとんでもない歌詞なのです^^淡々とずっと続く曲調と不穏な終わり方はこの幸せな時間がこのままずっと続けばいい!という事を意図してます。この48分間が永遠に続けばいいという切なる願望です。
 5.ジャケット他
ジャケは3種検討しましたがプランタン結成時にスタジオで撮った画像(現ツイッターゆなちゃんアイコン)を使用。見飽きた感はありましたが後々を考えるとコレ!と一番気に入った画像を使いました。この写真ありきですがジャケはパティ・スミス/フォーセスのジャケットにオマージュを捧げるよう多少減色して画質を落とし近いフォントを使い似せました↓。帯裏に笑顔バージョンのお遊びをギリギリで入れましたが好評で良かったです。ジャケ裏等ライブ写真を使ったのはライブ見てくれ!というメッセージ。トータルデザインはあさのみなこさん(かすみん)です。
 
プランタン/ミラクルガールとパティ・スミス/ホーセス
ホーセスは生涯ベストの一枚なのでフォントとかちょっと似せてオマージュしてみた。

全体的にですが言われればそうかも程度のオマージュが多いです。当たり前ですが色んな文脈の上で成り立っています。
 5,特典CDRぷらぷらプラクティス海賊盤レッスン4について

アルバム予約特典で80枚用意。内容はほぼアルバムのボツテイク+ユナちゃんからのメッセージ+ライフイズアイドルの東京ライブ版。アンプラグドバージョンというのが3曲ありますがゴリラエルボーズ(山ちゃん、みずき、まほっち)を招いて7曲録音しました。南波さんがCDジャーナルのアイドル消耗戦に書いて頂いたスターリンの1st(トラッシュ)というのは元々前半A面スタジオ盤、B面ライブ盤というアルバムを作ろうとしていた(他にDAFCRASSとかもその形式)のですがライブ音源がイマイチで代わりにアンプラグドで並べようと思ったのです。が、実際並べるとキツいものがあったのでやめました。ゾンビガールという曲がありますがこれははなまん&ザ・リミッツというバンド(活動休止中)に提供した曲です。この写真もローカルでジャケット候補だったのですがはるかぜちゃんを営利目的で使う事がいずれ問題になるという話が出たのでやめました。アルバム完成して卒業が決まった後に録り下ろししたユナちゃんからのメッセージは合わせて聴いて頂けると嬉しいです。
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 ご拝読ありがとうございました。特典動画